和歌山・味のある建物案内・その1
突然だけど、和歌山に住んでいる。
和歌山県は関西人にとってはミカン狩りや高野山、白浜へ海水浴などで割とイメージが湧きやすい場所ではあるけれど、正直関西以外の人にとっては、「どこ?」というレベルではないだろうか。そこで、和歌山県とはどういうところなのであろうか。数字を見てみた。
・人口は97万人
・面積の8割は山
・みかん、梅、はっさく、山椒、柿の生産量日本一
人口97万人というのは世田谷区(89万人)より少し多く、横浜市(371万人)と比べると1/4程度。県を区や市と比べるというのも変だけれど、まあそれだけ人口密度が低いことが分かる。
よって、色んなものが普及しておらず、JRでICカードが使えるのは和歌山駅くらいで、それより南はICカードが使えないばかりか、自動改札もなく、無人駅が多い。高速道路も途中から対面通行の一車線なので、そんなに高速で走れない仕様になっている。もとより、海沿いをぐるっと走るメインの国道42号線もほとんどの区間で対面通行一車線である。
そんな和歌山県だが、私のような趣味の人間には楽園のような場所だ。人が少ない、地元の食べ物が豊富で安くて美味しく、バイクで走り放題、古い建物観察し放題。秋晴れのある日、愛車スーパーカブ90でふらりと建物を見学に行ってきた。
さて、まず見に来たのは「オートスナック由良苑」だ。しかし、営業していない。俗に言う廃墟である。
廃墟なのに扉が開いている。緑に取り込まれそうになっている入り口が、かぱっと口を開いている。深呼吸して中に入ってみた。
ツタの葉がうどん・そば自販機に導く。
ひっそりと息をひそめるうどん・そば自販機。残念ながら稼働当時の価格は確認出来なかった。
隣にはカップコーヒーのベンディングマシーンと、お金を入れて扉を開く形式の自販機が。
たばこの自販機は壁に埋め込んである。
しかし、雑然としている。床にはゴミやほこりが散乱し、窓から差し込む陽光に揺れていた。
この場所も賑わっていた時代があったのだろう。壁の注意書きが何とも言えない気持ちにさせる。
トイレだけ使って、何も買って帰らない客に業を煮やしていたのだろう。しかしまあ、観光バス1台で3000円徴収はちょっと無理があるように思える。ここは本当にこの建物しかなく。あとは道路とトンネルと雑木林だけなのだ。
うどん、寿司・弁当、ハンバーガー、コーヒー、ジュース、ビール・おつまみ。手書きの看板のそれらの文字に大らかな時代を感じる。昔はでたらめだったんだろうなぁ。
気をとりなおして国道42号線を進む。(その2へ続く)
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